昭和の終わりから平成の初めくらいの頃まで、ゴルフクラブのセッティングはドライバー、3番ウッド(スプーン)4番ウッド(バフィ)、アイアンは3番、4番、5番、6番、7番、8番、9番、ピッチングウェッジ、サンドウェッジ、パターの13本が普通でした。

 

当時の3番アイアン、4番アイアンは今のようなキャビティバックではなく、薄いマッスルバック形状がほとんどでしたから、その薄いヘッドに加えてシャフトが長いし、ロフトが立っているしでとても難しいクラブでした。それだけに打てる人は尊敬のまなざしで見られていました。

 

ここでは、そんなユーティリティとフェアウェイウッドについてみてきましょう。

ユーティリティクラブの誕生

ところが昭和63年に、難しいクラブを打ちこなすために必死に練習するならもっと簡単に打てるクラブを作ろうということで生まれたのが、1983年創業のプロギア(横浜ゴム)が発売した「インテスト」というクラブでした。

 

アイアンの後ろをプクッと膨らませたような、大き目のヘッド形状、ソール幅も厚く、そして何よりも簡単に打てて距離も出ました。

 

膨らんだヘッド後部の色が赤かったことから「タラコ」の愛称で親しまれたMade in Japanのクラブが、今日のアイアン型ユーティリティの元祖ともいえます。

 

一方、同じく1983年に米国カリフォルニアに誕生したキャロウェイゴルフは、創業者のイリー・キャロウェイ氏の父上がメンバーコースの200ヤード先のクリークを越せなくなったと、嘆いているのを知り、やさしく200ヤードが打てるクラブを製作して父上にプレゼントします。

 

フェアウェーウッドのヘッドを小さく、シャフトも短くして、しかし飛距離は落とさないように重心位置は極力後方に配置して低重心としたことで格段に打ちやすくなりました。

 

念願かなった父上が「heaven!」(天にも昇るようだ)と喜んだことから「heaven wood」と命名したショートウッドがウッド型ユーティリティのきっかけとなりました。

 

すなわち、ユーティリティクラブはアイアンから派生した「アイアン型」フェアウェーウッドから派生した「ウッド型」とに分類することができます。この頃からキャロウェイ、ピンの海外ブランドを中心にクラブの「低重心化」が進みます。

フェアウェイウッド

ゴルフ創成期には先端が膨らんだクラブ(棒切れ?)1本でゴルフは行われていました。

 

しかしゴルフがスポーツという色彩が濃くなるにつれて、距離を打ち分ける必要が生じました(その方がゲームとして面白いから?)

 

そこで、最も飛ぶ(ドライビング)クラブをドライバーとし、以下ドライバーとほぼ同じヘッド形状で少し小さくして、シャフトも短くすることでフェアウェーからも確実に打てるウッドクラブを作ったのがフェアウェーウッドです。

 

しかし、長い間ドライバーをはじめとしたフェアウェーウッドは名前の通りパーシモン(北米原産の柿の木で非常に硬い)という木で作られていました。

 

そのため、重心距離や重心位置などを調節することはほとんど不可能でしたので、重心位置が高く、そして浅いという、上からしっかり打ち込まないと飛ばないという、難しいクラブがほとんどでした。

 

この難しさこそ、ユーティリティの生みの親とも言えるわけです。アイアン型とウッド型のどちらを選ぶかは、ずばりアイアンが得意なのか、フェアウェーウッドが得意なのかによって選べば間違いはないと思います。

フェアウェーウッドの進化

一般的に、重心位置が低くなれば、ボールの下半分にヘッドが入りやすくなり、結果的にボールは上がりやすくなります。そしてこれに加えて反発力が高いフェースを用いれば、ボールを遠くへ飛ばす力が伝わり高く、遠くへボールは飛びます。

 

そこで、ステンレスなどの金属を加工して中空構造のヘッドを作成、内部にタングステンなどの比重が重い金属でウェイトを作って自由に配置することで低重心のヘッドが開発されました。

 

さらなる進化は、廃棄された兵器から取り出された「チタニウム合金」です。

 

チタンと一般的に呼ばれるこの金属は軽く、そして強靭なのでヘッドを軽く強くすることが可能になりましたので、ウェイトの配置に自由度が増して飛距離も飛躍的に伸びました。

 

そしてその恩恵は、現代のフェアウェーウッドも十分こうむっています。

フェアウェイウッドとユーティリティの使い分けは?

フェアウェーウッドとユーティリティを比べると、フェアウェイウッドは低い弾道で飛びます。低い分、飛距離は出ますがグリーンで止まりにくいです。

 

また、ドライバーに性質が似ているのでミスショットした時の曲がり幅も大きいです。

 

ユーティリティは弾道が高いので、飛距離はフェアウェーウッドよりも落ちますが、グリーンで止まりやすいです。こちらはアイアンに近いので、ミスショットしても曲がりが少なくて済みます。

 

したがって、距離があるショートホールや、フェアウェーが絞られて狭いホールのティショットにはユーティリティを、ロングホールのセカンドショットなど飛距離を稼ぎたい時にはフェアウェーウッドを使うのが効果的です。

まとめ

フェアウェイウッド
  • 弾道が低く飛距離を狙える
  • グリーンでは止まりづらい
  • ドライバーに近い
ユーティリティ
  • 弾道が高い
  • グリーンで止まりやすい
  • アイアンに近い

14本のゴルフクラブは飛距離の階段を作ることが大切です。いちばん飛ぶクラブがドライバー、次にドライバーマイナス10ヤードを打てるクラブ。

 

そして最も飛ばないサンドウェッジが50~60ヤードといった階段を作っておけばラウンドが楽になります。

 

その中で、フェアウェーウッドとユーティリティとをほぼ同じロフトで2本入れておくという方法があります。

 

例えば同じ180ヤードを打つ時に、ホールの状況(広いか狭いか)を考え、目的(距離を稼ぐのか、グリーンを狙うのか)を考えて使い分けるとスコアがまとまり、ゴルフが楽しくなりますよ。