
最も大切なことを始めに言います!それは、アイアンで最も大切なのは「ライ角」です。
ライ角が合っていないアイアンは使ってはいけません。スライスやフックの原因、練習方法を説明してもライ角が合っていなければ、全く意味がありません。
適正なライ角のアイアンを使う。これは絶対守ってください。新品でも中古でも買うときに、ライ角を計って、直してもらってから買ってくださいね!
真っ直ぐ飛ばないと悩んでいるなら、まずライ角が合っているか確かめてください。スイングを気にする前に何度もいいますがまず「ライ角」です。
初心者がアイアンでスライスする原因
ゴルファーなら誰もが経験する悩みの1つがスライスだと思います。
スライスが起こる原因は、インパクトの瞬間にフェースが開いていて、カット打ちになっているからです。
既にスライスに対する色々な練習本やサイトで、ストロンググリップにするとかアウトサイドインを直すとかアドレス時に肩が開かないように注意するなどはよく書かれています。
あまりみかけないですが、スライスの原因となり得るものを説明したいと思います。
スライスの原因
スライスの原因はフェースが開くことですが、何故開くのかというと、シャフトの延長線上にフェースの中心がないからです。(これも色々なところで物理的に詳しく書かれています。)
そのため、まず開くの抑えて捕まえるという動作をしなければ、スライスは起こってしまいます。ボールを捕まえるという動きに大きく影響を与えるのは、「重心角」と「重心距離」です。
重心角
クラブは、水平なところに置くと自然に傾きます。その傾きが大きいほど捕まりやすく、小さいほど捕まりにくいです。その傾きを「重心角」と言います。
簡単に言えば、重心角10度ならあとの80度は自分の力で戻さないとフェースが真っ直ぐに戻ってきません。
またショートアイアンの重心角は大きく、ロングアイアンの重心角は小さいです。このためロングアイアンの方がより捕まらず、難しいと言われます。
重心距離
重心距離はシャフトの付け根からクラブの重心までの距離のことで、重心距離が長いほど捕まりが悪く、重心距離が短いほど捕まりが良いです。
基本的にヘッドが大きいものは重心距離も長く、小さいものは短いです。
しかし、最近はヘッド構造を工夫して、ヘッドは小さいけれど重心距離は長くしている物やその反対に大きいけど重心距離を短くしている物もあります。
一概に見た目だけで判断ができなくなっています。重心角と重心距離で、アイアンを分類すると以下のようになります。
初心者向け | 中上級者向け | スライサー向け | フッカー向け | |
---|---|---|---|---|
重心角 | 大 | 小 | 大 | 小 |
重心距離 | 長い | 短い | 短い | 長い |
捕まり | ほどほど | ほどほど | 良い | 悪い |
実は初心者向けのアイアンは必ずしも捕まりが良い設計にはなっていないのです。まず、そのことを理解していただきたいです。
初心者向けのヘッドは、重心距離が長いために、ネック軸回りの慣性モーメントが高くなっており、直進性が高く曲がりにくい設計となっています。
一見良さそうに思いますが、ネック軸回りの慣性モーメントが高いと操作性は悪くなります。つまり開いたフェースを戻しにくいということです。
最近の傾向で、重心距離を長くして直進性の高いクラブ設計にしているものが目立ちます。これは、重心距離が長いクラブの方が初速が出て飛ぶからです。
もし、初心者向けのヘッドの大きいアイアンを使っているなら、重心距離が長いクラブにあったスイングを身につけましょう。
スイングのポイント
ポイントは、フェースを開かないようにする事です。簡単に言えば、手首を使わない、ヘッドを返そうとしないということです。
アドレスから手首の角度を変えず、テイクバックを取り、真っ直ぐボールを打つ。そして、そのまま真っ直ぐ振り抜くことです。技法では、シャットフェースやノーコックと言われます。
真っすぐ構えて、真っすぐ振り、曲がらないストレートボールを目指しましょう。
捕まるシャフトの選び方
もう一つ、ボールの捕まりに大きく影響を与えるのがシャフトです。
シャフトは先調子、元調子と言われるしなり方で捕まる、捕まらないと言われますが、その調子の前に自分のヘッドスピードに対して硬いシャフトは捕まらず、柔らかいシャフトは捕まります。
これは、上手くシャフトをしならせることができると、シャフトの逆しなりという現象が起きるからです。これにより、ヘッドはしっかりと返ってきて、ボールを捕まえてくれます。
ここで大きな注意点があります。
ヘッドスピード40m/sぐらいの人がアイアンを選ぶとき、シャフトは軽量スチールと言われる90gから100gぐらいのものが殆どだと思います。
N.S.PRO950GH S、モーダス105S、最新モデルだとダイナミックゴールド105Sや95Sが入っていると思います。
これらのシャフトは、重量的にはヘッドスピード40m/sの人に適しています。
しかし、硬さは明らかに硬すぎるんです。硬すぎると逆しなりが上手く使えません。そのため捕まりが悪くなり、スライスの原因になります。
ヘッドスピード40m/sの人は、70gから80gぐらいのカーボンシャフトか、NSPRO950HT Sやダイナミックゴールド95 Rが硬さは合っています。
上記のよく見かけるスチールシャフトはヘッドスピード45m/sぐらいの人が適正な硬さです。
43m/sの人は上記のRシャフト、もしくはモーダス120S、90gから100gぐらいのカーボンシャフトが適正となります。
硬さを合わせた上で、そこから自分のスイングテンポや感覚にあった調子のシャフトを選べば、スライスは克服できることでしょう!
まとめ
スライスする原因はライ角です。自分の角度に合わせることがとても重要です。スライスする原因を深くさぐっていくと「重心角」「重心距離」「捕まり」も重要なことが分かりました。
またヘッドスピードによってもシャフトを考えるべきですね。自分に適したシャフトの重さや硬さを探し出しましょう!